[ シルクスクリーン ]
シルクスクリーンプリント(捺染)とはメッシュ状の版にインクを乗せ、1色分づつ細かな穴から手作業でインクを押し出すことにより印刷する方法で、
一般的に最も普及しているプリント手法です。
模様を抜いた型紙やシルクスクリーン、彫刻をいれたローラーなどを使って、染料を混ぜた糊料を布地にプリントして模様を出すことを意味します。
デザインに合わせた穴を作り、穴の部分にだけインクが通るようになっているのでデザインに使う色数に応じて、製版が必要になります。
製版は高価ですが、何千枚と量産が可能なので、量産する場合は単価が抑えられます。
シルクスクリーンの歴史は古く、ヨーロッパにおける型染めの技法として生まれてから、長らく染色の分野として発達してきました。
その後、合成染料の発明によって、商業用等として広く普及していきます。日本において合成染料が最初に輸入されたのは明治3年(1870年)ですが、
実際に捺染が始まったのは、明治17年頃(1884年)だと言われています。
[ インクジェットプリント ]
Tシャツなどのアパレル製品へのプリンティングはシルクスクリーンプリントから始まりました。今でもそれは変わりないのですが、近年のTシャツプリント
は進化を遂げ、シルク以外にも多様なプリントの手法が存在します。中でもインクジェットプリントはTシャツプリントのみならず様々な印刷分野で
使用され、従来の印刷方法を凌駕するほどの勢いがあります。データさえあれば1枚から作成できる、小ロット・オンデマンドに適した手法になります。
衣類(Garment)に直接インクを塗布して印刷するプリントをするので、業界では、DTG(Direct to Garment)などの名称で呼ばれています。
また、このDTG(DIRECT TO GARMENT)以外にも、数種類のインクジェットマシーンがあります。
近年、テキスタイル・アパレル市場では、版を使った従来のアナログ印刷から、版を必要としないデジタルプリントへの移行が進んでいます。
また、生産コストが安い地域での大量生産から、消費地近くでの短納期・少量多品種生産による需要が高まっていることも、インクジェットプリントを後押ししている要因になっています。
[ その他の主なプリントの種類 ]
- [ 染料プリント ]
- 白もしくは淡色生地に染料をもちいた捺染プリント
- [ 顔料プリント ]
- 濃色生地に生地色より淡い色を載せる捺染プリント
- [ ラバープリント ]
- ゴム系樹脂をもちいた顔料プリントで伸縮生地に対応
- [ フロッキープリント ]
- フロッキーシートを用いて圧着する起毛プリント
- [ ラメプリント ]
- 細かい金属箔をちりばめたプリント
- [ グリッタープリント ]
- さらに細かい金属箔を顔料に混ぜ込んだプリント
- [ 発泡プリント ]
- 顔料に発泡剤を混ぜて加工し加熱して膨らますプリント
- [ 蓄光プリント ]
- バインダーに蓄光原料を加えた暗所で光るプリント
- [ 植毛フロッキープリント ]
- パイルと言われる短い繊維を静電気を利用して垂直に植え込む手法
- [ オパールプリント ]
- 薬品を使い綿の繊維を溶かすことで柄を表現する手法
- [ 箔プリント ]
- 金銀など箔を熱で生地圧着する手法